行雲流水

エッセイ

歯の詰め物

風邪をひき、寝込むこと2日目。
起きては寝、起きては寝を繰り返し、深夜に目が覚める。
台所に行き、余りものを物色した後、黒糖の飴をなめる。ほんの数十秒なめていたら、口の中に固形物があることに気づく。すぐに口から取り出してみると、歯の詰め物の欠片が出てきた。5万円もしたセラミックの詰め物だ。

飴をなめるのを止め、口をゆすぎながら白湯を飲んでいたら、また固形物があることに気づく。しかし、今度は気づくのと飲むのが同時だった。間に合わなかった。詰め物がしてあった歯からは、詰め物がきれいさっぱりなくなっていた。

具合が悪くなってきたので、また寝ることにした。