行雲流水

エッセイ

男なら、食にこだわりを持て

息子は、食にこだわりがある。好きなものから順に一品ずつ食べる。
最上位の食べ物はトマトである。トマトを食べさせない限り、他のおかずは一切口にしない。他のおかずを食べさせようとしても、固く口を閉ざす。

心ゆくまでトマトを堪能した後、眼前にあるおかずの中から一品選び、食べる。一品食べ終わったら、次の一品へと移っていく。

この食事順は絶対である。母親が順を破って食べさせようものなら、頑なに拒み、おかずをポイッと後ろに投げ捨てる。

食にこだわりもを持ってこそ、一流の男だ。そう言わんばかりの態度である。

 

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