行雲流水

エッセイ

バンドを誘いに行ったらバイクが盗まれた

(今朝見た夢がやたらとリアリティがあって面白かったので書き残すことにしました)
以下は、夢の中の話です。

 

 

仕事が上手くいかなくなった俺は、少し離れたデニーズでバイトをすることになった。一番忙しい昼からの3時間、特別にバイトを体験させてもらった。簡単な用しかできないが、自分なりに懸命にやったつもりだ。
15時過ぎ、客も少なくなったころ、店長から「できそうか?」と訊かれ、俺は「不安ですけど、やってみます」と答えた。「そうか。じゃ、明日からよろしくな」と言われ、「あぁ、はい」と威勢がいいとは言えない返事をした。

 

一人の客が俺に近寄って来て、思いがけないことを提案してきた。「今、バイクを売ろうと思っているんだが、お前買わないか?」と。
そういえば、ここまで来るのに少し距離があるし、車も持っていない。俺は見ず知らずの男の提案に乗る事にした。8万円で譲ってもらうことになった。

 

バイトが終わってから譲ってもらったバイクに乗り、すぐさま一人の女性のところへ向かった。玄関先のインターホンを押すと、生活感のある服装と髪型で玄関から出てきた。俺は、バイトのことやバイクのことを彼女に伝えた。彼女は嬉しそうに笑いながら聞いてくれる。

 

会いに行った目的は、そんなことを伝えるためじゃない。俺は彼女を誘いに来たのだ。俺には夢があって、それは音楽の世界で生きていくことだ。彼女は天性の歌声を持っており、俺はその声に魅了されている。どうしても彼女と一緒に音楽がしたかったのだ。
「俺と一緒に音楽をやらないか。ボーカルをやってほしい」。その一言が言い出せず、たわいもない会話が続いた。自分が人よりも話しが上手いだけに、どうでもいい話でも笑いが取れてしまうのが、今は逆に邪魔になっている。

 

10分ほど話していたら1台のバイクが横切って行った。それは今日8万円で譲ってもらった俺のバイクだった。一瞬何が起きたのか理解できなかった。数秒後我に帰り、近くのバイク置き場に置いておいたバイクが盗まれたことを理解した。彼女との話を打ち切り、バイク置き場に向かうと、3人の男がバイクを盗もうしていた。俺はかけ走で近寄り「お前ら何してんだ。警察呼ぶぞ」と叫んだ。
すると男たちは面を喰らったように「あ、え、あ、すすみません」と答えた。俺はすぐさま自分のバイクが盗まれたことを伝えた。「さっき、お前らの仲間でバイクを盗んだやつがいるだろ。あれ俺のだから、すぐに戻せ」。男たちは素直に応じた。その場でバイクを盗んだ男に電話をかけ、戻るよう伝えた。

 

俺はバイクが向かってくる方向に歩きながら、男3人に文句を言い続けた。そして、盗んだ男に一発殴らせろと命令した。すると男たちは不満そうな顔をし始め、俺に言い返してきた。「下手に出てるからって、あんまり調子こいたこと言ってんじゃねーぞ」。俺も間髪いれず言い返した。「お前、誰に言ってんのか分かってんのか。あぁ~!」。男たちは首をかしげながら「誰だよお前。知らねぇよ」と答えた。「俺は、○○の兄貴だよ」と言うと、男たちの顔色が変わった。
俺の弟は地元で有名なワルだった。今でもその影響力は残っている。弟の名を後ろ盾にするのはカッコ悪いが、一番簡単に場を鎮める方法なのを俺は知っていた。

 

丁度その頃、俺のバイクが到着し、男の一人がバイクを盗んだ男に、「○○さんのお兄さんだって」と伝えた。盗んだ男もそれだけで事の次第を理解したようだ。
優位に立った俺はもう一言罵った。「お前ら、歳いくつだよ?」。「23です」とボソッと答えた。俺は右口角を上げ「はぁ~~、23だぁ。何23にもなってバイク盗んでいるんだよ。そんなこと18で卒業だろうが。この不完全燃焼どもが」。一発殴ろうかと思ったが、あまりにも哀れで殴る気も失せた。「もういい、帰れよ」とため息混じりに言った。男たちは軽く頭を下げ、足早にその場を後にした。

 

こんな状況だ、今日は彼女を誘うタイミングじゃない。そう思い、戻ってきたバイクにまたがり帰ることにした。

 

(ここで夢が覚める)

 

 

※弟が地元で有名なワルは、現実世界でも事実ですw