行雲流水

エッセイ

水たまり

雨が激しく降り注ぎ、街には水たまりがいくつも現れていた。
細い一本道、大きな水たまりが私の行く手を阻んだ。
脇の石段に登り、よけて渡る。知らないサラリーマンも私に続いた。
私とサラリーマンが石段に登っている横で、一人のOLが水たまりの上をバシャバシャと音を立てて歩いて行く。私とサラリーマンは一瞬顔を見合わせた。
先に進む。また、水たまりが行く手を阻んだ。私はバシャバシャと音を立てて水たまりの上を歩いた。足はひんやりと冷たかった。