行雲流水

エッセイ

一面銀世界

昨晩、雪が降った。ひらひらと舞う雪ではなく、頬を打つような雪だ。
「明日は積もるな」。心を躍らせ、夜空を見上げた。

朝、目が覚める。すぐに私はカーテンの前に立った。カーテンの向こう側は一面銀世界が広がっているはず。昨晩よりも激しく心は踊り出した。左右のカーテンを両手でつかみ、勢いよく腕を広げた。

目の前には、いつもと変わらないアスファルトの地面が広がっていた。