行雲流水

エッセイ

椿はツンデレな花

夜道を歩いていたら、椿が数輪咲き始めていた。
椿を見るたび、私は冬のが訪れを感じる。


椿は、ツンデレな花だ。

椿は真冬に咲く。
まるで「私、みんなが咲く春や夏ではなく、冬に咲きますから。そこらの花と一緒にしないでくださいます」と言外しているようだ。

また、椿は4か月も咲き続ける。
まるで「長く私を見てくださいませ」と主張しているようだ。

さらには、雪の中でも映える紅色に咲き、遠くにいても気付くほどの強い香りを放つ。
まるで「私ここにいますから、私ここにいますから」と語りかけているようだ。

これほどまでに、あからさまな自己アピールをされれば、返って愛おしくなる。
今冬も、椿の我儘に毎日付き合うことになるだろう。
そんな椿が、私は好き。

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