行雲流水

エッセイ

私は粗チンです

AmazonKindle本を眺めていたら、とある女性の電子書籍(セルフ)が目にとまった。ブログに綴ってきたエッセイをまとめたものらしい。それはいい。私が気になったのは、著者が自身のことを「おもしろ美人」と名乗っている点である。これはイタイ。これはイタイに違いない。そう思い、恐いもの見たさ100%で電子書籍をダウンロードした。

案の定、美人でもなければ、面白くもなかった。ただただ自己陶酔した抒情文が長々と書かれているだけのものだった(あくまで個人的な感想です)。だがもし、彼女が自身のことを「おもしろ美人」などと言わなければ、ここまでイタイ印象を抱かなかっただろう。完全なブランディングミスである。輪をかけてイタかったのが、彼女がセルフブランディングを教える先生だったことだ。もう十分だ。激辛カレーに唐辛子をふりかけないでほしい。結局私は最後まで読むことができなかった。

Kindleを閉じた後、そういえば前にも似たような気持ちになったなと、あることを思い出した。
2年前、田母神 俊雄 氏のTwitterアカウントを見た時のことだ。プロフィールに、「私は明るくユーモアがあるいい人です。」と書いており(今も書いてある)、「何てイタイおじさん何だろう。周りに注意してくれる人がいないんだろうな」と、裸の王様を見ている気分になった。田母神 氏のツイートを長らく見てきたが、失言はあっても、ユニークな言葉を見たためしがない。私は断腸の思いでフォローを外した。

他人から「美人」「面白い」と評価されるならまだしも、自身でそれを言っても何ひとつ良いことはない。無意味にハードルを上げるだけだし、反感も買ってしまう。どうせやるなら、ハードルを下げたほうがいい。そのほうがギャップが生まれて、かえって他人から評価されるというもの。やはり、謙虚が一番である。

ちなみに私は粗チンです。