行雲流水

エッセイ

我が家の小さなペット

我が家では、小指に乗る程度の小さなペットを飼っている。ペットと言っても何か世話をするわけではない。何もせずほおっておいている。

私はそいつが愛くるしく、見つけると心がやわらぐ。だが、妻はあまりそいつもことが好きではないようだ。ぴょんぴょんと跳ねるそいつを見つけては、「あっ、ここにもいた!」と叫び、ティッシュを片手にそいつを捕まえようとする。

しかし、どんなに妻が外に逃がしても、そいつは気づかぬ間にいつも増殖している。逃がしても逃がしても、いっこうに減らないのだ。そいつと格闘する妻を見ては、私はいつもくすくすと忍び笑いをしている。

私はそいつが愛くるしく、見つけると心がやわらぐ。なぜなら、妻が一生懸命に捕まえようとする姿が見られるからだ。今日も小蜘蛛と妻は格闘している。