行雲流水

エッセイ

月明かりの下で黒ネコと隠れん坊

月明かりの下に黒ネコが一匹。
物影に身を潜め、人が通り過ぎるのをただじっと待っている。
全身まっ黒で物影に隠れているのだから、見つかるはずがないと黒ネコはきっとそう考えているのだろう。
だが、すぐにバレてしまう。
きらりと光る二つの目が暗闇に穴を開けるから。
見つめ合う僕と黒ネコ。少しの間、目で会話すると、黒ネコは足早に去ってゆく。
毎日隠れん坊。僕と黒ネコのひそやかな夜の遊び。