行雲流水

エッセイ

夕食のお弁当と半額シール

17:50。家から徒歩5分のスーパーに行く。夕食のお弁当を買うためだ。
お弁当売り場に行くと、バイト君が半額シールをペタペタと商品に貼っていた。私が食べたい魚弁当にまでシールの手がまだ及んでいない。棚陰に隠れてそっと見守る。シールを一枚貼るだけで商品が半額になるなんて、なんという権力を持っているのだろう。スーパーの世界では神様に等しい存在である(私の中で)。
一人の老父がバイト君に近づき、おもむろに弁当を突き出した。「シールを貼れ」の意のようだ。素直にシールを貼るバイト君。感謝もせずに歩きだす老父。魚弁当にシールが貼られ、私はそれを手にしてレジへ向かった。187円なり。
帰宅。早速食べる。今日の魚の味は少し淋しかった。