行雲流水

エッセイ

そこにサッカーボールがあったから

夜の散歩道。いつも歩くコースの横に小さなグランドがある。日中、子ども達がサッカーや野球をして遊ぶ場所として使われている。夜は誰にも使われることもなく、しんと静まりかえっている。
グランドの片隅にサッカーボールが一つ転がっていた。きっと何処かの子どもが忘れていったのだろう。
散歩がてら、ボールを少し蹴ってみたくなった。ボールを転がしているうちにドリブルもしたくなってきた。こうみえてもサッカーは得意なスポーツだ。小学生のとき習ってもいた。
15mほどドリブル。すでに肩で息をしている。もう飽きてきた。最後にボールを力一杯蹴ってみることにした。助走をつけて、シュート。足つった。