行雲流水

エッセイ

私のジョニーとLサイズのパンツ達

UNIQLOの下着売り場でパンツを眺めている。家着を一着買いに来ただけなのに。
「Lサイズ」と一人ぼやきながら、Lサイズのパンツに手を伸ばす。今履いているのはMサイズなのにも関わらず。

認めよう。6kgの体重増がさすがに堪えた。Mサイズのパンツは限界に達しつつある。いや、すでに限界に達していたのではないだろうか。私のプライドが矜恃がその事実を拒み続けてきたのだ。一向に減らない体重に嫌気が差し、今まさに私は、現実を受け入れようとしている。
Lサイズのパンツを7つ買物カゴに入れ、レジへと向かう。

帰宅。早速買ったLサイズのパンツを履いてみる。なんだ、この開放感は。締め付けを感じない。息子のジョニーもラクだと喜んでいる。

着替え入れに入っているMサイズのパンツとLサイズのパンツを入れ替える。Mサイズのパンツはビニール袋へ。今度のゴミの日に出す。

私はきっと、大きな曲がり角を曲がったに違いない。ゴミの日、私はMサイズのパンツと共に大切な何かも一緒に捨てるのだろう。取り戻せるのだろうか、いつの日か、それを。分からない。ただ分かっているのは、相変わらずジョニーは喜んでいるということだけだ。