行雲流水

エッセイ

病院へ向かう

2014年9月9日9時30分頃。

青く透き通った秋晴れの空。まるで今日という日を歓迎しているかのようだ。
今日は、息子か娘に出逢える日だ。今、妻のいる病院へと向かっている。一ヶ月間の入院生活、妻はよく耐えた。質素な食事に娯楽のない日々。効果の薄い促進剤を幾度となく打たれ、心身共に疲れているようだった。だが、それも今日で終わる。自然分娩ではなく、帝王切開になったが、医師の予想より何週間も出産日を伸ばすことができた。元々は、高血圧症候群のため2000g程の時期に帝王切開する見越しだった。「もっとお腹の中で育てたい」という妻の一念が届いたのだろうか、2700gになるまで育てることができた。
どんな子が産まれて来るのか。はやる気持ちを抑え、今、バスの到着を待っている。