行雲流水

エッセイ

手術室へ

手術室が空くのを今か今かと病室で待っていた。
13時30分、看護婦が病室に入り妻にこう告げた。「14時から、始められるそうです」。
横で聞いていた私の心臓の鼓動が早くなる。私が手術を受けるわけではないのに、なぜか心がはやる。心配と不安と期待と喜びの混ざった複雑な気分だ。

30分後。
時間通り妻は移動式のベッドに乗せられたまま手術室に入って行った。不安と期待を胸に、私は妻を見送った。