行雲流水

エッセイ

朝、寝てたでしょ

朝9時頃、私のiPhoneが鳴った。
今日のその時間は、私も妻も寝ており、二人ともiPhoneの音で目が覚めた。そのまま出ることなく着音が終わるのを待った。

電話の主はすぐにわかった。「ピンポーン」と玄関のチャイムが鳴ったからだ。我が家に来るドライバーは3名いるが、そのうち1名が非礼な奴だ。朝早い時間の荷物は、私が留守(就寝)していることもあり、一度電話を鳴らしてからチャイムを鳴らしてくる。酷い時は、チャイムを3回以上も鳴らしてくる。ただ、今回の荷物は、午後に時間指定している荷物であり、朝9時に電話とチャイムを鳴らされるのは、ただの迷惑行為である。とりあえず、チャイムを無視して帰るのを待った。

12時頃、再度ドライバーが荷物を届けに来た。荷物を受け取りに妻が玄関を開ける。ドライバーから出た第一声に妻が切れた。

「朝、寝てたでしょ」。

妻は語気を強めに「夜遅くまで仕事している日もあるので……」などと注意をした。

一日中、妻の機嫌は悪く、私は戦々恐々としていた。何度も八つ当たりされた。あのドライバー、許すまじき非礼。クレーム事案だな。