行雲流水

エッセイ

勝負の日だ。8万円の費用がかかるか否かが決するかもしれない。

14時30分、予約していた歯科医院に到着した。受付を済ませ、名前が呼ばれるのを待つ。2年9ヶ月前に詰めてもらった8万円する詰め物と歯の間にわずかな溝(隙間)が出来、その治療に来たのだ。私の要望としては、3年保障を適応してもらい、新しい詰め物を詰めもらいたい。その交渉も兼ねた治療なのだ。

名前が呼ばれた。

指定された治療椅子に横になり、歯科衛生士に歯を見せる。
「あぁ、これですね。では、研磨して溝を埋めていきますね」
「ちょっと待ってください。3ヶ月前も溝ができて研磨してもらい、今回で2回目になるので、できたら保障で新しい詰め物を入れたいんですけど」
「でも、保障期間はもう過ぎてますよ」
「(嘘つけババァ)そんなことないですよ。2015年1月か2月に詰めてもらっています」
「えっ、2013年ですよ」
「そんなことありません。調べて来ましたから」
書類をチェックする歯科衛生士。
「あら本当だわ。2015年の2月でしたね」
「まだ保障内ですよね。だから新しい詰め物をお願いしますね」
「はい。先生に伝えておきますね。今回は研磨しておきますね」
「(こいつ、保障を使う気ねーな)」

治療後、もう一度念押しして新しい詰め物にしてほしいと歯科衛生士に伝えた。歯科衛生士は目線も合わさず「はい、先生に伝えておきますね」とだけ答えた。本当に先生に伝えるのか、疑念が残る。

次回の予約と会計を済ませて、歯科医院を後にした。帰宅して1時間後、歯科医院に電話をした。「次回は、詰め物を新しくしてください。保障が切れてから詰め物を新しくされたんじゃ堪んないですからね。その旨、先生によく伝えておいてください」と受付のお姉ちゃんに伝えた。

戦いは、まだまだ続きそうだ。