行雲流水

エッセイ

同類

妻と話すのは疲れる。わざとボケているのではなく、素でボケているからだ。
最近、こんなことがあった。

私が好んで飲んでいるコーヒーがなくなりそうになったので、スーパーに行った際に買ってきてほしいと妻に頼んだ。スーパーから帰った妻は「売り切れてた」と残念そうに報告した。そこで終わりにしておけばいいものを、妻は加えてこんなことを言った。「きっと〇〇人が買い占めたのよ。あのコーヒーが売り切れることなんて今までなかったのに」。

私は深いため息をついてからこう諭した。「何の根拠があってそんなこと言うんだ。棚に20個も30個も置いてある商品じゃないんだから、自然に売り切れることだってあるだろ」と。「だって……」と言いながらも渋々納得してくれた。

確かにうちの地域は特定の国の人が多い。妻は何度かその非常識ぶりを目の当たりにしている。だからと言って、根拠なくそういう発言はするもんじゃないし、私自身こういった発言を身内から聞くと本当に疲れる。あまりにもバカすぎて。

2日後、スーパーから帰ってきた妻は興奮しながら私にこう叫んだ。「スーパーに行ったらコーヒーが入荷してた! なくならないうちに全部買い占めてきたよ!!」「お前も同じゃねーか!」本当に疲れる。