行雲流水

エッセイ

面倒くさがり屋の私とレトルトカレー

私は極度の面倒くさがり屋だ。そのため、料理などと言うものをしたためしがない。妻がいないときは、外食するか、弁当を買うか、レトルトカレーを食べるかしている。

妻が数日家を空けることになった。さて困った。妻の料理が食べられない。しかも、今回はかなり長期だ。私はいつものように外食・弁当・レトルトのローテーションをすることとなった。

3日後、レトルトカレーの在庫が切れたため、近所のスーパーまで買い物に出かけた。スーパーの陳列棚には美味しそうなカレーが写ったパッケージが並んでいる。どれが美味しいのか試してみよう。私は全種類の「辛口」を買い物カゴに入れ、レジへと向かった(辛口が好きなのだ)。
レジには、長らくこのスーパーでバイトをしている若いお姉ちゃんがいる。バーコードを読み取り、合計金額を告げる際、お姉ちゃんはいつも私に可愛い笑顔を振りまいてくれる(絶対私に気があるはずだ。だけど私には妻がね。あぁ、しかも君は未成年だった)。
料金を支払い、釣り銭を受け取る。「レシートは入りますか」。私はいつものように「いらないよ」とだけ答えた。照れ屋な私はそそくさとビニール袋に商品を詰め込み、スーパーを後にした。

20時。一仕事終え、私は夕食の準備に取りかかった。といっても、レトルトカレーで温めるだけなのだが。先ほどスーパーで買った商品を取り出す。よく見たらレトルトカレーではなく、カレーのルウだった。しかも全種類。私は床にパンチした。