行雲流水

エッセイ

睨まれる

11日間の海外出張を終え、5日に帰宅した。
郵便受けには、はち切れんばかりにいくつもの郵便物が入っていた。両手で掴み、家に入る。机の上にも郵便物が散らかっていた(7日前、妻が帰宅して散らかしたのだろう)。机の上で、すべての郵便物を捨てる物と残す物に分けていく。すると、郵便局からの不在票が出て来た。母からの贈りものようだ。

それにしても、郵便局の不在票はため息が出る。再配達してもらうためには、ガイダンスに従って時間を入力しなくてはならない。これが、すこぶる面倒だ。3分以上はゆうにかかる。電話で郵便局員を呼ぶより、空いた時間に取りにいくほうが気が楽だ。今回はそうしよう。

今日の16時。パソコン仕事をし過ぎて目が疲れた。目を休ませるついでに郵便物を受け取りに行くことにした。自転車に乗り、郵便局へ。

不在票を受付の女性職員に見せて、「郵便物をください」とお願いした。「お電話はされましたか?」と訊かれる。私は「いいえ。電話しないと荷物はないんですか? 荷物を持って運んでいるんですか?」と嫌みを言った。不貞腐れた顔で「少々、お待ちください」と女性職員。

5分待つ。

男性職員が私を呼んだ。「このお荷物は、2日の日に○○さん(妻)から、実家に転送するように言われ、転送していますね」「あぁ、そうですか。なら、いいです」。

鋭い視線を感じた。
男性職員の後ろで、私をじっと睨みつける先の女性職員。心の声が聞こえてくる。「はぁ、転送してんの知らずに、私に何文句言ってんだよ」。郵便局を出るまでその視線は続いた。